虫歯予防にフッ素塗布が勧められる理由
このフッ素塗布に関しては確かに歯科医師の中でも「賛成派」と「反対派」があっていろいろな情報がネットでも飛び交っております。
そしてその根拠に嘘がかなりあって呆れてしまうものもあります。
フッ素情報に関しては、結論から言うと、塗布及びそれに準ずるフッ化物に危険性はありません。
フッ素が安全な理由

ここでいう「フッ化物」とは、フッ素が他の元素と結合してできた物質の事を言います。
確かにフッ素単体を使ったときには強い酸化作用があるので、摂取すると猛毒になるということがあります。
しかし、そもそもフッ素単体を歯科医院で使うことなどありません。
歯科医院で行われているフッ素塗布で使用されているのは「フッ化ナトリウム」と呼ばれる安全性の高い「フッ化物」です。
これはフッ化ナトリウム=フッ素とナトリウムが結合した安全なものなのです。

では毒性の強い物でも他のものと結合すると別物の安全なものになると言う例を挙げます。

毒性の強い塩素がナトリウムと結合して塩化ナトリウムすなわち安全な食塩となるのです。
化合物となると、まるで別物のようですね。

確かにあらゆる薬、化学物質においても有害量というのがあって、それを越してしまうならば中毒症状を起こす危険があります。
しかし、フッ素中毒による嘔吐や腹痛などの症状を引き起こす、1歳児の一般的な体重(約9キロを標準とした場合)で危険な量とは、フッ素塗布に用いるジェル(フッ素濃度9000ppm)4.5g以上を、一度に飲んでしまった場合に起こり得るものなのです。
根拠となる論文
Diabnosis and treatment of acute fluoride toxicity.
Bayless JM and Tinanoff N.The journal of the American Dental Association.1985
Diabnosis and treatment of acute fluoride toxicity.
Bayless JM and Tinanoff N.The journal of the American Dental Association.1985

中毒症状を起こすほどの量のフッ素塗布をすることは絶対にありません。
ですから…
通常のフッ素塗布をしたからといって、中毒症状になるような心配は、全くご無用なのです。
フッ素を推奨する理由
では、なぜフッ素を推奨するのか? その利点についてご説明していきます。

これを「脱灰」と呼びますが、「脱灰」は食事やおやつジュース、スポーツドリンクなど糖分を含む飲み物などを摂取するたびに起きているのです。
そして唾液の作用によって中和させられ溶け出したリン酸イオン、もしくはカルシウムイオンが取り込まれて元の状態に戻ることになるのです。
これを「再石灰化」と呼びます。
実は、この大切な「再石灰化」を促すのがフッ素なのです!

特に生えたばかりの歯は、歯の表面の結晶構造が粗造であるために、虫歯菌の出す酸に対して非常に感受性が高い状態(虫歯になりやすい状態)にあります。
そこで歯質を強化するフッ素を供給してあげることは、虫歯予防にとって非常に大きな意味があるのです。

フッ素は、大人でも有益です。
フッ素は、歯のエナメル質成分と結合することによっで、「フルオロアパタイト」と 言う非常に硬い結晶構造を作ることが知られています。
つまり歯が石灰化する際にフッ素が取り込まれ、強固な歯質へと変化することで虫歯に対する耐性を得ていくのです。


そうすることで歯が溶けにくくなり、その結果虫歯予防へと繋がるのです。
以上の事から…
歯科に定期健診の際、フッ素塗布できる機会を活用しないと言うのは、とってももったいないのですね。
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