前歯が閉じない… 矯正治療で一番難しい症例
矯正治療で一番難しい
それは「開咬」です。
開咬とは奥歯が咬みあっているのに、前歯が咬みあっていない歯並びのことを言います。
前歯が空きっ放しなのでサンドイッチやハンバーガーなど前歯で咬み切ることはできませんし、麺類も前歯同士ではなく、歯と舌を使って切ったり、奥歯で切って食べることになります。
奥歯にかなり負担がかかるので、虫歯になりやすかったり、虫歯がないのに歯が痛い、しみるという症状が出やすいです。また、歯周病にもなりやすく、歯が割れてしまう事もあって、早く歯を失ってしまう確率が高いのです。同時に咬み合わせが良くないため、顎関節症にもなりやすいです。
従来の開咬の治療では、ご本人に前歯が閉じるようにゴムを自分でかけていただいたり、前歯同士が近づくような力のかかるワイヤーを入れたりしながら、苦労して前歯を咬み合わせるのですが…、仕上がりがいまいちだったり、後戻りすることもあって、「難症例」とされます。
小臼歯を抜歯して、そのスペースに前歯を下げることで前歯を閉じさせることもありますが、歯茎が見えてしまうガミースマイルになってしまったり、コントロールに苦労します。そして時間もかなりかかってしまう傾向にあります。
さて、開咬のもともとの原因は、上下の前歯の間にいつも舌があるか、指しゃぶりなど前歯を閉じれなくさせる要因があって、奥歯がそれに伴って前に傾いてしまい、奥歯しか当たらなくなるというものがあります。
なかなかこの舌の癖が取りきれないので、矯正で思うように歯が動かずに治療時間がかかったり、後戻りしてしまう理由の要因でしょう。
そこで、前のめりに傾いてしまった奥歯をまっすぐに起こしてあげることは、開咬を治すのに有効です。それをしてあげれば、前歯を伸ばすようにゴムをかけたり、ワイヤーを曲げたりする必要がないことが多いです。
ただ、奥歯を起こすのは従来の治療では大変困難でした。
そこで、骨に動かない錨となるものがあれば、奥歯を後ろに引っ張って、起こしてあげることが可能になります。それがプレートインプラントです。
プレートインプラントは、矯正期間中だけ使う矯正器具の補助装置ですから矯正後は、取ってしまいます。埋入も除去する時も無痛感覚治療で行いますから安心です。
今回ご紹介する症例はプレートを使って、1年半で矯正装置を外すことができました。このプレートがなければ、治すことそのものも、かなり困難だったと思われます。
矯正前は奥歯だけ当たって、前歯が咬みあっていませんでしたが、矯正後(プレートインフラント埋入)の写真をご覧ください。
埋まっていた親知らずを抜いて、そのスペースを利用して、奥歯をまっすぐに起こしました。笑顔も自然で素敵になりました。ご本人もご家族もとても喜んでくださいました。
症例データ | |
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治療 カテゴリー | インプラント矯正 |
治療 名称 | プレートインプラント |
年齢 | 19歳 |
性別 | 女性 |
保険の適用 | 自由診療 |
おおよその費用 | 280万円ほど |
他・治療リスクなど | お口に入れる咬合を誘導する装置ですから、人によっては、1ヶ月ほど違和感を感じる人がおられます。その後は問題ありません。 |
お口にお悩みがあれば、保険の範囲で検診し、治療やご相談が出来ます。
どうぞコメット歯科までお気軽にご来院ください。
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